ガンプラやプラモデルの塗装方法に「グラデーション塗装」というのがあります。
グラデーション塗装とは、陰影を強調し、立体感が生まれる塗装方法です。
全体が重厚な雰囲気になるため、一風変わった、目を引く完成品にすることが出来ます。
今回はエアブラシを使い、グラーデション塗装のやり方を解説します。
グラデーション塗装の準備
まず、グラーデション塗装の準備をします。
準備と、言っても、気にするのは以下の二点だけです。
① ハンドピースは細吹きができる0.2~0.3口径を選ぶ。
② 塗料は、若干薄目にしておく。
ポイントは②の、塗料を薄めにしておく、ということですね。
詳しいことは後で解説します。
ハンドピースの口径とは塗料が噴き出す『穴』の大きさのことです。
0.2~は細く、0.4~だと広い面に塗料を吹くことが出来ます。
ガンプラのパーツは小さいので、0.4~口径だとグラデーション塗装はかなり難しくなってしまいます。
グラデーション塗装のやり方
まず、グラーデション塗装の『影』となる下地を塗装します。
とりあえず最初は『黒』か『黒に近いグレー』を選ぶのがおススメです。
そして塗料は中心から吹き始め、円を書くように少しずつ塗料を広げていきます。
塗料を薄めにしてあるため、下地の黒が透けてしまうと思いますが、それで問題ありません。
むしろ、下地が透けないと綺麗なグラデーションにはなりません。
中心から塗料を広げていく、という作業を繰り返していくと、だんだん中央の色は濃くなっていきます。
ポイントはその時、端の部分にはあまり色を乗せずに、意図して黒の下地を残す、というところです。
塗装後はこのようになります。
薄めの塗料を用意する理由はここにもあって、何回も重ね塗りをしていくため、塗膜が厚くなってしまうからです。
濃い目の塗料だと、下地が全部塗りつぶされてしまったり、塗膜がざらざらになってしまうんですよね。
実際のパーツだと、HG、1/144はかなり小さい場合があります。
ハンドピースを動かしてグラデーションを掛けるより、中央に塗料を当てると自然と色が広がっていくので、それを利用した方がいいと思います。
これを、すべてのパーツのひとつの「面」に対して行っていく、というのが基本です。
「面」ということを、ちょっとくわしく説明します。
例えばEGガンダムの肩。
ここがひとつの「面」であることはわかりやすいと思います。
塗装後はこんな感じです。
ですが、脚部の側面となると、どこを面にするかは、作っている本人が決める必要があります。
例としてはこんな感じですね。
赤い丸の部分を面とすることにしました。
塗装後です。
場合によってはもっと細かく面を分けることが出来ます。
そして最後に、ですが、グラデーションを掛けたパーツは、仕上げとして更に薄めた塗料でコートしてあげると全体のまとまりが出ます。
これ、かなり重要です。
全体が馴染んで、いい感じに落ち着いてくれます。
ただ、やりすぎてしまうと、ベタ塗りと変わらなくなってしまうので注意です。
全体を、ふわっと、2,3回コートするのがコツです。
グラデーション塗装をしたキットの注意点
グラデーション塗装をした作品は、塗装剥げには注意を払った方がいいです。
グラデーション塗装は、下地から何回も塗り重ねる、けっこう面倒な塗装方法です。
もし、なにかにぶつける、パーツが擦れてしまう、ということで塗装が剥げてしまうと、リカバリーが超面倒です。
下地から塗り直さなければいけませんからね。
特に、ガンプラは動かして関節部分が擦れることが多いです。
グラデーションを掛けた完成品は、出来るだけ動かさないでおくか、細心の注意を払って可動させるようにしましょう。
ガンガン動かしてかっこいいポーズを付けるぜ! っていうキットには向かないかもしれないですね。
グラデーション塗装のコツは?
グラデーション塗装は、難しいというイメージを持っている方も多いと思います。
実際、ハンドピースなど持っている工具や、モデラーの腕前によって完成度がかなり違ってくると思います。
上手な方のグラデ塗装は、ほんとうに美しいですからね。
ただ、グラデーション塗装の「雰囲気」を出すなら、「えいや!」と勢いでやってみると、意外にそれっぽくなってしまいます。
最初の内は、ほんのりグラデではなく、陰影をキツくすることがコツです。
グラデーション塗装が上手な方からアドバイスをもらったことがあるんですが、縁の陰影をハッキリと出すくらい、キツく、かなりキツくやってしまえ、と言われました。
たしかに、そちらの方がグラデ塗装の効果がわかりやすいです。
もっと極めていきたい! と思いましたら、ハンドピースや圧力計など、工具もすこしづつ揃えていけばいいと思います。
グラデーション塗装の練習におススメなキットは?
グラデーション塗装の練習におススメのキットは「ドム系のMS」のような面の広いキット。
また、「EGのガンダムシリーズ」も安価で30分もあれば組み立てることが出来るのでおススメです。(特にνガンダムは普通のHGより大きいので更におススメ)
本当であればHGよりもMGや1/100クラスが大きくやりやすいんですが、練習としてはちょっと重すぎますよね。
以上でグラデーション塗装のやり方でした。
グラデーション塗装は、パッと見で印象の異なる作品にすることが出来ます。
面が広く、ディティールがあまりないキットだと効果がわかりやすいですね。
面白そうだと思いましたら、ぜひ挑戦してみてください。