第22回オラザク選手権で大賞になった作品は、旧キットを使って製作されているのは有名だと思います。
その凄まじい完成度もあってか、最近では旧キットの完成品をよく見かけるようになりました。作ってみたい、と思った方も多いと思います。
まあ、私もそのひとりなんですが!
と、いうことで、旧キットに挑戦です。
選んだのは、こちら1/100ゾゴックになります。
とりあえず組んでみる
上で書いた通り、サイズは1/100なのでけっこう大きいです。
ですが、パーツは少ないのであっという間に組みあがりました。
ただ旧キットって、組み立てには接着剤を使うんですよね。
接着剤を使ってしまうとパーツが外れなくなってしまうので、仮組みをするときは写真のように、マスキングテープでばしばしと貼り付けていく必要があります。
頭部のカッターなど、一部のパーツはテープでは付けれなかったので外したままです。
なんと言いますか、感想は「ああ、古いキットだなぁ・・・」でした。
かっこよくするためには苦労しそうと言うかなんというか・・・。
とにかく可動もありません。見てください、箱絵の横についている、可動を紹介しているこの写真。めちゃくちゃ必死な感じが伝わってきます。(ちょっとかわいいけど)
ただ、旧キットはパーツがほぼ空洞になっています。
モデラーのやりたいことがなんでもできる、っていうのは大きな魅力ですね。
可動を仕込んでもいいですし、理想の固定ポーズで作ってもいい。
そのぶん手間は増えますが、考えて手を動かす楽しみも増えていきます。
もちろん、完成するかどうかの不安もありますが!
製作準備 ~用意した物~
とりあえず、使うであろうという工具やマテリアルを用意しました。
接着剤、は必須ですね。タミヤ製の白ビンとMsセメントSPがあれば、強度のある接着は出来ます。
あとは速度のある瞬間接着剤も必須ですね。
まずは大まかな形を作ることが目的なので、ヤスリは切削力のある240番と400番を使います。
塗装する前には800番くらいのもっと細かい番手を使って整えていきます。
仮止めするために必要なマスキングープ、デザインナイフなんかも使用頻度が高い道具です。
あとけっこう重要なのが、ウェーブさんから販売されている『プラサポ』各種と、3ミリのアルミ線です。
アルミ線は100円ショップで買いました。
旧キットはパーツの接着が前提です。
ですが、接着してしまうとパーツを外すことができなくなってしまいます。
『プラサポ』は幅のある3ミリ穴と言いますか、同径である3ミリ径のアルミ線を差し込ことができます。
これを各所に埋め込むことにより、接続した部分を後から外せるようにする、というのが狙いですね。
プラスチックなので接着も出来ますし、加工も簡単。
アルミ線も力を加えればある程度曲げることもできるので、微調整を入れることもできます。
ただ、なぜか自分の買ってきたアルミ線は3ミリのプラサポに入らなかったので(と、いうかめっちゃキツかったので)ピンバイスで穴を広げて使っています。
なせ? そういう仕様か?
次はエポキシパテ。けっこうな量が予想されるので、軽量の物を選びました。
ラジオペンチはアルミ線を切るのに使います。
あとは各径のピンバイスですね。
ペンチとピンバイスは100円ショップから買ってきました。刃物の部類は100円のものを勧めないんですが、使用頻度が高くない工具なので妥協しています。
タミヤのプラバンも忘れてはいけません。
自由に加工が出来るので、改修には必需品です。0・5㎜と1・0㎜を良く使います。
とりあえずメインの工具・マテリアルはこんな感じですね。
どうなんだ、旧キット・・・!
と、いうかですね。
実は、旧キットではなく、ゾゴックの方を作りたかったんですよ。ゾゴックでやりたいことがあったんです。
ただ、どこにもHGUCが売ってなくてですね(泣)
その際、偶然、旧キットの方を見つけてしまって、
「1/100で大きいし!」
「旧キット作ってみたかったし!」
という思いがふつふつと沸き上がり・・・。
完成させることが出来るのか、大きな不安を感じましたが、これもひとつのきっかけだと思い、購入してしまいました。
後悔はしていません。
ただ、とにかく大変そうです(震)
旧キットを作るのは初めてですし、何度も書きますが完成させることが出来るかどうかもわかりません。
とりあえず、製作にあたって決めたことは以下の二つです。
・やりたいことはあるので、それに見合った固定のポーズで作る。
・ディティールはあまりこだわらず、完成させることを目的とする。
くわしいことは今後の製作日記で説明していこうと思いますが、長く厳しい製作になることは確実です・・・!
さあ、頑張っていきますか。
前かがみになって、ギロっとモノアイで相手を見上げている。
それが、自分がこのゾゴックでやりたいこと(やりたいポーズ)なんです。
なぜかゾゴックって、前かがみのイメージが強い。
まあ、そのためにこれからいろいろとやっていくわけなんですが・・・。
もし旧キットを固定ポーズで作りたいと思っている方は、可能なのであれば、イラストか何かでイメージ図みたいなものを書いておくといいかもしれません。
それか、パチ組みのガンプラで、あらかじめポーズを検討しておく、とかですね。
そうしておいてイメージを固めておくと、ずっと作りやすくなると思います。
作業開始 まずは下半身を作る
さて、作業開始です。まずは下半身から手を付けていきます。
大きく改修する場合、最初は顔から手を付けた方がいいと思うんですが・・・。まあ、こいつの顔って胴体そのものですからね・・・。
形状も悪くないので、顔面はスルーです。
ちなみになぜ顔から手を付けた方がいいかと言うと、顔がばっちりと決まればテンションが上がって、作業をするのが楽しくなるからです。
ほかの部分の改修が上手くいっても、顔がかっこよくないとガッカリだと思うんですよね。
もし失敗して諦めたくなっても・・・。早い段階で判断が出来ます(オイ)
それはともかく、まず問題なのは足の角度です。
ほとんど直線ですし、これ以上横に開きそうな気配がありません。
このまま前かがみになったら、ただのお辞儀です。
どうやって足を開かせようか、めちゃくちゃ悩みましたが、あの球体って股にめり込んでないと動く様な気配を感じられないと思ったんですね。
ですので、まずは印をつけた個所を大きく切り取ることにしました。
パーツは一回切り離してしまうと元に戻せませんので、決断は慎重に行います。
そして、プラサボとプラバン(プラ角棒)を組み合わせてこんなものを作ります。
それを切り抜いた股の中に仕込みます。
そこに3㎜のプラ棒を通し・・・。
股関節の球体にはプラサポを角度を付けて埋め込みます。
そうすることによって球体が股にめり込み、足を付ける位置が広がりました。
いちおう接着するまでは取り外すことが出来るので、微調整も可能ですね。
隙間は後でエポパテで埋めて形を整えていきます。
次は脚部ですね。
どうやってポーズを繋いで固定しようか・・・もう、とにかく悩みます。
考えた結果、まずこういったものをプラバンなどで作りました。
それを埋め込みます。
で、脚部の各パーツに穴をあけ・・・。
最終的に、アルミ線を通してポーズを決定します。
力を加えれば曲げることが出来るので、微調整も簡単です。(曲げるためには案外、力が要りますが)
角度を決めた後は、エポパテやプラサポを使って強引にポーズを固定します。
そしてこんな感じになりました!
力強く下から見上げるゾゴックに、すこしだけ近付いたと思いませんか?
簡単そうに見えるでしょう? 自分も記事を書いていてそう思いました。
けど、実際の作業はめっちゃ大変でした!
これ、どうやって固定すればいいんだ・・・? と思い悩む時間が長いです。
接着面が足りなくて、上手く接着しないこともしばしば・・・。
作っている最中、一度くっ付いたら二度とは離れない強力な接着剤とかあればいいのに! と何度も思いました。
たまに旧キットや改修中の写真で、過程が美しすぎる作品があります。
プラ板の積層やパテの削り込みなど、それだけで「芸術かよ・・・」と思ってしまうこともあるんですが、あれは普通じゃありません。達人か何かでいらっしゃると思う。
作っていて分かったんですが、接着面はプラ角棒などでなんとか増やしたり、エポパテで強引に止めたりすればいいんです。
上手い人と同じようにならにからといって、上手くいってないとは思わないことにしました。
決断は慎重に、行動は大胆かつ強引に、が自分なりの旧キット製作の合言葉です。
すべてエポキシパテがなんとかしてくれる、そんな思いでOKだと思います。
きっとそのうち、もっと効率のいい方法を思いついたりするでしょう。
と、いうわけで次は上半身です。