今回は、ガンプラ・プラモデルに使用するスジボリ工具を紹介します。
綺麗にスジボリが彫り込んである作品、憧れますよね・・・! 私もそうです。
スジボリはテクニックも必要ですが、なにより使用する工具も重要です。
綺麗に彫るためには、絶対に、工具の力が必要です。
私は、いままでたくさんのスジボリの工具を使用してきたました。
今回はその使用感やおすすめなどを紹介していこうと思います。
スジ彫り堂 BMCタガネ
実績と性能を兼ね備えたスジボリの工具。それが「BMCタガネ」です。
とにかく綺麗に彫れるので、使用頻度は一番高いです。
プロの方も、ほとんどの方がタガネでスジ彫りをしています。とにかくこれで練習していくのが間違いない、と言えますね。
つまり、結論からいうとこれが一番、おすすめです。
幅のラインナップも「0.05mm~4.0mm」と種類も豊富。
ガンプラに使用する通常のスジ彫りであれば、0.075㎜~0.15㎜サイズがお勧めです。
私は0.15をメインに使っています。
また、タガネはかなり小さいので、一緒に「タガネホルガ―」を購入しておくといいと思います。
そのままでも使えないことはないのですが、あると全然使い勝手が違います。
ホルダーにはカラーバリエーションもあり、細さを現すシールも付属するので、使い分けるといいと思います。
と、ここまではいいことばかり書いてますが、BCMタガネにも欠点があります。
その欠点とは、①値段が高い ②手に入りずらい ③直線以外はちょっと苦手 といったところです。
まず値段ですが、タガネは一本、2000円~4000円ほどします。先端が細いものほど値段が高い傾向にあります。
スジボリの道具としては間違いの性のですが、この小さい工具にガンプラのMG並みの値段を出せるのは中々難しいかもしれません。
もうひとつは手に入りずらい点。
欲しくても人気がありすぎて手に入らないことも多いです。
転売されていて値段が定価の倍以上になっていることもあるので、購入を考えている時は公式サイトなどをチェックして再販の機会を待つ必要があります。
最後に性能的な問題ですが、タガネはカーブを描いた曲面などのスジボリはやや苦手としています。
横から負荷がかかると、先端がぽきっと折れてしまうこともあるらしいで注意が必要ですね・・・。
とはいえ、全体的にタガネがスジボリ道具の最高峰です。
手に入るのであれば、ぜひ手に入れて使ってみてほしい。
RAYWOOD『タングステンブレードPRO』
次は、RAYWOODさんから販売されている「タングステンブレードPRO」です。
スジボリの工具としてはかなり後発での販売ですが、すばらしい性能をしています。
個別の記事もありますので、よろしければご覧ください。
【ガンプラのスジボリ】BMCタガネの代用はこれで決まり? RAYWOOD『タングステンブレードPRO』を使ってみた
タングステンブレードPROを一言でいうと、
「もしタガネが使えなくなったら迷うことなくこちらを使う」といったレベルです。
私はタガネでどうしても買えなかったサイズを購入して、今でも併用して普通に使っています。
先端のサイズも豊富ですし、現状では手に入りやすいですね。
値段は一律で2980円(税込)とちょっと高いですが、タガネと並んでおススメな工具です。
ファンテック スジ彫りカーバイト
次はファンテックから発売されている「スジ彫りカーバイト」です。
使ってみての感想ですが、正直、性能的にはタガネには一歩及ばないかな、といった感じです。
タガネほど彫り込み鋭くないので、スジボリカーバイトは、線にちょっとヨレが出てしまう感じがするんですよね。
ただ、私はずっとタガネを使ってきた慣れもありますし、感覚としてはタガネに近い感じです。
モデラ―の中では、こちらをメインに使っている方もいますね。
スジ彫りカーバイトはお店やネットでも手に入りやすいので、タガネが手に入らない! という方はこちらを使ってみるのもいいかと思います。
ただ、スジボリカーバイトはこのままでは使用できません。
さすがに小さすぎます。
使用するには3.2mm経のサイズに対応したピンバイスか、専用のホルダーが必要となります。(写真はタミヤのピンバイスを使用)
スジ彫りカーバイトはサイズも「0.05~1.5」mmと豊富で、値段も1600円~2000円(カーバイト本体のみ)程と手に入りやすい価格帯となっています。
クレオス ラインチゼル
次はクレオスから発売している「ラインチゼル」です。
先端が特徴的で、フックのようになっています。
彫った感じは、ほかのスジボリ工具より、鋭く、深く彫れるような感じです。
ただ、このフックのせいか、ちょっと「引っ掛かり」を感じることがあり、タガネやスジボリカーバイトとも違う使用感があります。
使い慣れ次第だと思いますが、すこし癖がある感じですね。
本体は0.3mmの刃先がセットになったものが販売しており、値段は2200円(税抜き)
取り換え用の刃先は0.1mm~1.2mmのラインナップとなっています。値段は1000円前後。
こちらも、タガネと比べてとても手に入りやすいです。
ケガキ針
昔から、スジボリに使われ、とりあえず「これは持っておいた方がいいよ」と言える工具です。
掘った溝は「V」の字になり、めくりが付くので綺麗には彫れませんが、どんな方向にも針を動かせるため、直線・曲線など多くのスジ彫りに対応できます。
値段も1000円前後で割と安価で購入できます。
私はミネシマの「精密ケガキ針」を使っていますが、ハセガワから発売されている「モデリングスクライパー」は砥石がついているので、こちらを購入してもいいですね。
スジボリの工具は高額なものが多く、作業は難しいですが、なんだかんだと、ここから始めてみるのもありですね。
目立てヤスリ
次は目立てヤスリです。
普通のスジボリ工具とはちょっと違いますが、いちおう紹介しておきます。
側面に刃が入っており、彫るというより、なぞった部分に溝を深くする使い方をします。
スジボリをする場所によっては非常に重宝します。
つまり、タガネやケガキ針なんかでは彫りづらい場所の彫り直し、をすることが目的です。
メインにはなり得ませんが、持っておくと便利な一品です。
模型用も売っていますが、ホームセンターで小さい目立てヤスリを買ってもいいと思います。
目安としては、刃先が75mmくらいのものが模型用としては使いやすいですね。
デザインナイフ
模型を作るなら必須級の工具、デザインナイフ。
こちらはカッターですが、スジボリにも使えます。
両方から刃を入れて「V」の字に切り込みを入れる。
刃の反対側を使って、溝を彫る。
先端が細いので、スジボリの線を広げて整えるのにも使えます。
スジボリのために手に入れる、というよりは、スジボリにも使えるよ、というような感じです。
模型つくりには絶対に使う工具なので、持っていない方はぜひ購入しましょう。600円前後で購入できます。
まとめ スジボリの工具は結局何を買えばいいのか?
スジボリは、やはりいい道具に頼った方がいい、と言えます。綺麗な直線を引けるかは、やはり工具に寄るところが大きいです。
そのため、手に入れることができるなら「BMCタガネ」がいいのですが、これがまた、手に入りづらく、値段も高めとなっています。
ただ、身もふたもないことを言いますが、スジボリは作業自体が難しいので、いい道具をそろえること以上に練習することも重要です。
ガンプラにオリジナルのスジボリをする場合は、綺麗な線を引くのと同じくらい、センスのあるかっこいい線を引けることが大事です。
そのため、「ケガキ針」や「デザインナイフ」を買い、カッコいいラインを引く練習をしてから、「BMCタガネ」などの高価な工具を買うのを考える、というのもアリですよね。
「BMCタガネ」を買っても、ケガキ針やデザインナイフは使う機会が多いですし。
綺麗なスジボリの線を引くなら「BMCタガネ」がやはり一番。
かっこいいラインのスジボリの練習をするなら「ケガキ針」と「デザインナイフ」でも可能。
という感じです。
よろしければ、参考にしてみてください。