今回はピンセットについて説明しようと思います。
「ピンセットなんて100円ショップで買える?」
いえいえ、たしかに100円でも買えますが、ニッパーと同じでピンセットも、できれば「きちんとしたもの」を使うことをおススメします。
スケールモデルを作るときには大活躍しますし、ガンプラ(キャラクターモデル)でもマスキングテープを貼ったり、デカールを貼ったりなど、意外と活躍したりするんですよね。
ピンセットの基礎知識
ピンセットの「きちんとしたもの」とはなんのか?
一言でいうと、軸が厚くしっかりしていて、先端を閉じた時の精度が高い、ということが挙げられます。
まあ、そんなに畏まらなくても、模型メーカーの1000円くらいのピンセットを選べば、外れはありません。
安定しているのはやはりタミヤ製のものですね! さすがスケールモデルの大御所といった感じです。
100円ショップの物を使った後に、1000円くらいのピンセットを使うとその精度にびっくりすると思います。
ピンセットでパーツが飛んで行ってしまう理由
ピンセットでパーツを掴むと、ぱちんとパーツを飛ばしてしまうことがあると思います。
運が悪いと、パーツは異次元に飛んで行ってしまって、二度と探し出すことができません・・・。
「パーツが飛んで行ってしまう現象」がなぜ起きるかというと、先端の精度と軸の強度が関わってきます。
先端の精度とはなんとなくわかるかもしれませんが、軸の強度はあまり意識しないかもしれません。
ピンセットでパーツを掴むと、先端を中心に、軸にはこういう風に力が入ります。
先端に力が入り、軸が外側にしなる、という感じでしょうか。
そのとき、軸がしっかりとしていないと、外側に力が漏れて、先端が開いてしまう。
すると、パーツが、ぱちーんと吹っ飛んでしまうわけですね。
100円ショップのピンセットがダメな理由
100円のピンセットと1000円のピンセットを比べてみると、軸の太さが全然違います。(左がタミヤのもの)
1000円くらいのピンセットは、パーツを掴んだくらいでは軸がしならないほど剛性の高いものが多いです。
これが100円のピンセットではダメな理由です。
ピンセットもいろいろなメーカー、いろんな種類、いろんな販売帯がありますが、やはり最初はタミヤ製のものがおススメです。
これが使用感の基準になると言えます。
ピンセットは買い替えが必要な工具
少し意外に思うかもしれんせんが、ピンセットは買い替えが必要な工具です。
ニッパーやカッターが少しづつ切れなくなってくるように、ピンセットも使っていると先端の精度が悪くなってきます。
そうなってしまうと、細かいパーツがつかめなくなったり、パーツを飛ばしてしまうようになります。
「最近、パーツが掴みづらくなったな・・・」と感じたら買い替えの必要が出てきます。
ピンセットの使用頻度が高い方は気を付けておいたほうがいいですね。
クラフトツールシリーズ No.48 精密ピンセット ・ストレートタイプ
ここからは実際、私が使っているものを紹介します。
まずはクラフトツールシリーズ No.48 精密ピンセット・ストレートタイプです。
まさにピンセットの王道。
小さいパーツを掴むことに特化した性能になっています。
挟むところが1㎜くらいしかなくてもストレスなく、ぴし! と掴めます。
手がイラつくこともなし! 素晴らしい安定感です。
小さいパーツを掴むほか、マスキングテープを貼るとき、剥がすときにも使えますね。
クラフトツールシリーズ No.52 デカールピンセット(おすすめ!)
次はデカールピンセットです。
こちらは、デカールを傷つけないよう、先端がちょっと丸くなったピンセットです。
もちろん、先端の精度は高いため、こんな小さなデカールも簡単に掴むことができる。
デカールは台紙からスライドさせるのが基本ですが、このピンセットを使えばピンポイントでつまんで貼ることも可能です!
ガンプラなどは、制作中にピンセットをあまり使わないかもしれません。
ですが、デカールを貼るという方はいると思うので、ガンプラを作る方はこちらを最初の一本にすることをおススメします。
もちろん、このピンセットでも精度は十分すぎるので、パーツを掴む、マスキングテープの貼り剥がしは問題なくできます。
クラフトツールシリーズ No.47 精密ピンセット ・ツル首タイプ
次は精密ピンセット・ツル首タイプです。
名前の通り、先端が鶴の首のようになっています。
ピンセットの先は適度な丸みがあって、パーツを傷つけづらい仕様になっています。
小さいパーツを拾ったり、奥まったりするところに接着する時に活躍します。
ただ先端が曲がっているだけじゃないの? と思われるかもしれませんが、どういうわけかこっちの方が使いやすい! と感じる方もいます。
ここら辺はモデラ―の感覚にもよるので、購入は後回しでもいいかも?
クラフトツールシリーズ No.103 逆作動/ストレートタイプ
最後は逆作動タイプのピンセットです。
これは、その名の通り作動が逆になっているタイプのピンセットです。
ふつうのピンセットは握るとパーツを掴みますが、これは、握ると先端が開きます。
先が勝手に閉じてくれるので、長時間の保持が可能です。
ちょっと慣れが必要なのと、掴む力の調整は難しいため、ある程度使用場所を選びますが、スケールモデルを作る方はもっておくと何かと便利ですね。
まとめ
ピンセットのまとめです。
ピンセットはできるだけきちんとしたものをおススメします。
100円のピンセットは軸が細いため、パーツをぴん! と吹っ飛ばしてしまう可能性が高く、先端の精度があまりよくありません。
まずは、タミヤの1000円前後の商品を使ってみるのがおすすめです。
その中でも、ガンプラメインの方はデカールピンセットがおすすめですね。
ガンプラでピンセットを使うシーンは「デカールを貼ったり」「マスキングテープを貼ったりはがしたり」という作業です。
デカールピンセットはデカール貼りに特化していますし、先端の精度も高いため、本来の小さいパーツを掴む、といった作業も問題なくできます。
まずはデカールピンセットを使ってみて、必要と感じたら他の物を試していけばいいでしょう。
スケールモデルを作るなら、精密ピンセットもあれば活躍します。
ピンセットは制作環境によってはあまり使われることのない工具かもしれません。
ですが、やはりいい工具というのはいいものだな、と使ってみたらわかります。
100円の物でいいや、と思わず、ぜひ少し高めのピンセットを使ってみてくださいね。