スジボリを綺麗に彫りたい。
そのための工具として有名なのは、やはりスジボリ堂の「BMCタガネ」でしょう。
しかし、「BMCタガネ」は値段が高い・・・。
しかも、人気商品のため、売り切れていることもめずらしくありません。
スジボリをしてみたいけど、タガネが手に入らない! そういう方もいると思います。
ですが、「ケガキ針」でも、手順を踏目が、それなりに綺麗に彫ることは出来ます。
今回は、「ケガキ針」を使って、できるだけ綺麗にスジボリを彫る方法を紹介しようと思います。
ケガキ針とタガネの違い
綺麗にスジボリが彫れる工具の代名詞といえばスジボリ堂の「BMCタガネ」ですが、ケガキ針との違いをすこし説明しておきます。
まず、ケガキ針ですが、こちらは先端が針ですので、「V」の字になっています。
そのため、彫れば彫るほど、パーツには「V」型に深くなります。
この「V]の字に彫れてしまうのが、ケガキ針で綺麗に彫れない原因になります。
彫れば彫るほど溝はどんどん横に広がっていってしまうからですね。
一方、タガネは、先端が四角形です。
この形状だと、彫っても幅が一定なので、きちっとした清潔感のある線になります。
そのため、深く、綺麗な線を引けるのがタガネの特徴です。
また、単純に切れ味が段違いです。タガネの方がよく切れます。
ケガキ針は先端が針のため、スジボリの線がガタガタに歪むことがありますが、タガネはそれも最小限に抑えています。
スジボリに使える工具は色々ありますが、タガネは確かに、その筋の工具としては一級品の性能を持っています。
ただ、最初に書いた通り、値段が高い、手に入りづらい、という難点があります。
その点、ケガキ針なら安価であり、割とどこでも手に入れることができます。
ケガキ針でスジボリをするために用意する物
スジボリに使用する工具の紹介です。まずは主役の「ケガキ針」。
ケガキ針もいろいろありますが、自分が使っているのは高いものではなく、ミネシマの精密ケガキ針、です。1000円くらいで買えます。
次は「デザインナイフ」です。
こちらも特別なものではありませんね。
あとは紙やすりです。
なんでもいいのですが、自分は「切れてるヤスリ」を愛用しています。
スジボリ実践
まずはケガキ針を使って、普通にスジボリをしていきます。
段差に沿って、針を動かして溝を掘る作業ですね。
コツはとにかく、力を入れないこと!
力を入れずに、何度もけがいて線を太くしていくことです。
何度もけがくとスジボリの線が太くなっていきますので、それなりの深さになったら次に行きます。
ですが、この状態だとパーツに「毛羽立ち」が出ています。
また、線も細すぎるし、歪んでいることもあります。
そのため、次はデザインナイフの刃先で、スジボリの線をなぞって彫りなおします。
最後にペーパーで毛羽立ちを取って終わりです。
その際は、パーツの面をヤスるより、スジボリの溝に這わせる形でペーパーを掛けた方がいいですね。
重要なのはデザインナイフで線の形を整えることと、ペーパーを掛けて毛羽立ちを取ることです。
そうすれば、たとえケガキ針でも、それなりに綺麗にスジボリをすることができます。
また、今回は段差に合わせてスジボリをしていますが、何もないところにディティールアップとしてスジボリを彫りたい場合は、「ガイドテープ」などを用意しましょう。
ガイドテープは厚みのあるテープです。テープをスジボリをしたい場所に貼り、それに合わせてスジボリをおこないます。
デザインナイフとヤスリで整えるとこんな感じに。
ガイドテープは、割と安価ですし、模型用のものも多く販売されています(これはどこのメーカーのか忘れてしまいましたが・・・)
「スジボリ ガイドテープ」で検索すると、たくさん出てきますね。
スジボリがズレたら?
スジボリをしていると、ズレることも当然あります。
一回傷がついてしまうと、その方向に針が流れてしまうので、修正も難しいです。
そういった場合は、反対側から彫って線を修正するか、
または、デザインナイフでもっと深い傷をつけると、針先が流れていくのを防げます
できた傷は、ヤスリやラッカーパテなどで埋めるとリカバリーは完了です。
まとめ
ケガキ針で綺麗にスジボリをする方法のまとめです。
1 ラインやガイドに合わせて、ケガキ針を走らせる。コツは力を入れずに、何度もけがく事!
2 彫った後はデザインナイフの刃先で形を整える!
3 スジボリの毛羽立ち(めくれ)を、紙やすりで整える。面を整えるのではなく、スジボリの溝に入れるようにヤスると綺麗になりやすい。
4 削りカスを掃除して終了!
といった具合です。
これが現状、私が言える、ケガキ針でできるだけ綺麗にスジボリを彫る方法です。
正直、ケガキ針はタガネほど綺麗にスジボリは彫れません。
ですが、スジボリは、とても難しめの工作です。得意だと言っている方を見たことがありません。
そのため、タガネを持っていても、スジ彫りが上手くいくとは限らないんですよね。
つまり、とにかく練習あるのみ! です。
力を入れずに、何度もけがく!
いつかはタガネを手に入れたい、と思っている方も、まずはケガキ針で練習して、コツをつかんでみてはいかがでしょうか?