ガンプラの制作動画を見ていると、サーフェイサーを吹いて、グレーに染まったガンプラというものが出てきます。
簡単に言ってしまうと、『サーフェイサー』というのは、細かい傷を消したり、傷を見つけやすくしたり、塗料の下地となる下塗り剤のことです。
ガンプラを全塗装で仕上げることが多い私にとって、サフは完成の状態に大きく影響する要素といえます。
しかし、ガンプラにサーフェイサーって必ず必要? という疑問も見かけます。
結論から言うと、サーフェイサーは必ず必要な物ではありません。
状況によっては、まったく吹く必要が無かったりします。
今回は、ガンプラの状態と合わせつつ、サーフェイサーが必要かどうかを説明しようと思います。
サーフェイサーの役割
まず簡単にサーフェイサーの役割ですが、大きく分けて三つの役割があります。
ひとつは、傷を見つけやすくするため。
ふたつ目は、小さな傷を消すため。
最後は塗装の下地を整えるため、です。
サーフェイサーを吹くと、パーツはグレーに染まり、傷が浮かび上がってきます。
この傷、実は目では見えずらかったりするんですよね。
まずは、目で確認しずらい傷の確認をするためにサーフェイサーを吹きます。
傷をしっかり消しておかないと、塗装をしたときに、消しきれなった傷が浮かび上がってきます。
せっかく苦労して全塗装をしたのに、そんな完成品になるとがっかりですよね。
また、サーフェイサーは粒子が大きいため、小さな傷くらいなら消してしまうという効果もあります。
そして色がグレーに統一されるため、塗装の下地にも役立つ。
それが、サーフェイサーの役割です。
ちなみにサーフェイサーの役割は、『捨てサフ』『本サフ』なんて呼ばれて分けられていたりします。
このあたりのくわしいことは別の記事で解説しています。
ガンプラにサーフェイサーは必要? 絶対吹かなければいけないもの?
で、本題ですが、ガンプラにサーフェイサーが必要かどうかは、どんな完成品にするかに寄ります。
状況別に解説します。
素組み・部分塗装の場合 必要度・ほぼゼロ
まず、素組みや部分塗装などで仕上げる場合、サーフェイサーはほぼ不要です。
ガンダムマーカーなどで部分的に色を塗るだけなら、サーフェイサーを吹いて、傷を消したり下地を整えたりする必要はありません。
それよりも、完成度を上げるにはツヤ消しスプレーを吹くことがおすすめです。
小さなヤスリ傷くらいであれば、ツヤ消しスプレーを吹けば消えてしまうことが多いですね。
全塗装をする場合 できれば必要
全塗装をする場合は、エアブラシ・筆塗りに関わらず、できればサーフェイサーは吹いた方が無難と言えます。
綺麗な塗装面にするために、細かい傷などは、やはりチェックしておいた方がいいです。
また、下地の色を統一しておくことにより、全体の色の発色をコントロールする、という意味合いもあります。
手間がかかる全塗装、できれば綺麗に塗って、完成度をあげたいものです。
そのための手間として、傷の確認、下地を整える、といったサーフェイサー吹きはやっておいた方がいいと思います。
ただ、最近は隠蔽力と発色がすばらしい塗料が多いので、傷にさえ気を付ければサフを吹く必要はないかもしれません。
私はの場合は、関節の色にも使えるメカサフを使って、手間を省くことが多いです。
ディティールアップや大幅な改修をした場合 ほぼ必須
ディティールアップや大幅な改修をした場合、サーフェイサー吹きは、ほぼ必須です。
大改修とは言わないまでも、スジボリやマイナスモールド彫りなどで全身に手を加えた場合も、吹いておいた方がいいですね。
スジボリなどでよれた傷の確認、全体の様子を見るのに、サーフェイサーは一役買ってくれます。
大改修をする場合は特に、キットは傷だらけ、プラバンやパテまみれになります。
傷を確認するため何度も捨てサフをし、すこしづつ形を整えていく、そういった作業を繰り返すのが普通です。
綺麗に塗装をするため、本サフにも気を使います。
サフの状態で綺麗になっていれば、塗装はもう勝ったも同然ですからね。
サーフェイサーを吹かないサフレス塗装とは?
ちなみに、サーフェイサーをあえて吹かない塗装のことを、サフレス塗装、と呼びます。
サーフェイサーを吹くと、当然その分だけ塗装の厚みが出ます。
サフレスとは、美しい塗装面を得るために、その厚みすら嫌う、こだわりの強い塗装方法ですね。
フィギュアの塗装になんかによく使われますが、ガンプラでも1000番~2000番くらいまで丁寧にヤスリをかければ、サフレスでの塗装も可能です。
表面処理の段階でかなり気を遣えば、全塗装でもサーフェイサーを吹く必要はないかもしれません。
まとめ
以上で、ガンプラにサーフェイサーが必要かどうか、の解説になります。
全塗装、改修をしない場合は、ほとんど不要と言うことですね。
全身にヤスリを掛けていたり、パテを使って大きく改修をしている場合は、吹いた方が完成度は上がりやすいです。
ただ、最近のガンプラは改修する必要ないほどカッコイイものが多いのです。
また、発色が素晴らしい塗料も多いので、吹くとしても傷を確認する程度のサフで十分な気がします。
もっとヤスリ掛けに気を付ければ、サフレスでも問題ないでしょう。
では、参考になれば幸いです。