ガンプラ・プラモデルに貼るデカール。
最近のデカールは非常に薄く、それほど目立つという事はありませんが、やはりその「ちょっとした段差」を気にする方もいるのではないでしょうか?
デカールの段差は『研ぎ出し』という作業で消すことが出来ます。
すこし面倒で難しい作業ではあるのですが、デカールの段差が目立たない作品を作りたい、という方はぜひ挑戦してみてほしいです。
また、デカールの段差消しとして、研ぎ出し以外の方法も、ちょっと検証してみました。
用意する物
使う物は、ラッカー系塗料のクリアーとつや消しクリアーです。
あと、1000番~2000番前後の目の細かいヤスリも必要になります。
一応、クリアー塗装はスプレーでもできますが、エアブラシでおこなうのがおススメですね。
デカールを密着させる
まず、デカールを貼り付けるときは『マークセッター』などを使い、きちんとデカールを密着させておきます。
『マークセッター』はデカールの軟化剤で、凹凸のある場所にデカールを貼る時に活躍してくれるのですが、接着を助けてくれる効果もあります。
もし密着していないと、研ぎ出しのときにデカールが破いてしまう可能性が上がります。
研ぎ出し実践
では、さっそくやっていきましょう。
まずは、デカールの上にクリアーを吹きます。
コツとしては、何度か重ね塗りをして厚く吹きかけることです。
自分は、5回ほど重ねました。
写真を見れば、クリアーを吹いたところだけ、ツヤが出ているのがわかると思います。
次に、1000~2000番の細かい目のヤスリを使って、厚く吹いたクリアーの部分を均すように削ります。
ヤスリで削ると、艶のあった部分がつや消しになっているのが分かると思います。
そして、この時点でデカールの段差はかなり目立たなくなっています。
もしこのクリアー層が薄いと、デカールはヤスリで削り取れてしまいます。
また、密着していないと一部分だけ削れてしまったりもしますね。
この、ヤスリで均等に均す作業が、けっこう難しいです。
写真の矢印のところをご覧ください。よーく見ると、デカールの縁が見えています。
この部分がなくなるように、慎重に、慎重にヤスリを掛けるのですが、やりすぎるとデカールが破れてしまうため、なかなか上手くいかないかもしれません。
そしてどうにかして綺麗に均した後、最後につや消しクリアーを吹きます。
すると、このようにまわりと馴染み、デカールの段差は消えてなくなりました。
ガンプラでは最後につや消しスプレーを吹くことが多いんですが、艶々で仕上げたい場合は普通のクリアーをコートしてもデカールの段差は消えています。
むしろ、『研ぎ出し』はカーモデルやバイクモデルのテクニックなので、塗装面をつやつやにするときに使われることの方が多いですね。
デカールの段差消しは、このクリアー層とヤスリ掛け(研ぎ出し)の精度によるので、手順さえしっかりしていれば誰でもできる、とは言えないところがやっかいです。
練習あるのみ、ではありますが、何度かやってコツをつかむと出来るようになると思います。
クリアー+つや消しクリアーで段差は消せる?
最後にちょっと実験です。
デカールの段差はクリアーの厚吹きから、つや消しクリアーで消すことが出来る、ということを聞いたことがあります。
つまり、ヤスリで研ぎ出す必要がありません。
それが本当ならぐっと作業が楽になるので、ちょっと試してみました。
5回ほどクリアーを吹いてつや消しにしてみましたが、デカールの段差はハッキリとは消えませんでした・・・。
ただ、かなり目立たなくは、なりました。(ほぼ段差が見えないものもあります)
ちなみに一番左側のデカールはテトロンシールといって、ガンプラのMGなどについてくる、透明度のある普通のシールです。
貼るのは簡単なんですが、水転写デカールと比べ物にならないくらい厚いのではっきりと段差が見えてしまっています。
やり方がよくなかったのかは不明ですが、クリアー+つや消しクリアーだけでは、デカールの段差は完全には消せない、という結果になりました。
やはりデカールの段差を消すには研ぎ出しをするのが確実なようです。
凄腕モデラーやプロの作例は、デカールの段差が見えなくなっていることが多いです。
すこし手間ではありますが、より良い完成品を目指し、挑戦してみるのもいいのではないでしょうか?