ガンプラの塗装を終えた後に、トップコートと言って艶消しクリアーを吹く作業があります。
本体であればツヤを統一して見栄えをよく目的で吹くんですが、実はつや消しクリアー(スプレー)には粗を隠す、なんていう効果もあったりします。
ですので、艶消しクリアーを吹けば、全体のツヤが整うだけでなく、完成度が一気に上がります。
今回はつや消しクリアーの紹介と、おススメを紹介しようと思います。
また、トップコートはツヤを出す場合にも使われますが、今回はつや消しにするときの話になります。
艶消しクリアーの効果とは?
艶消しクリアーとは、その名前の通り、プラスチックや塗装のツヤを消すために吹くクリアーです。
色はついておらず、吹き付ければ綺麗にツヤだけを消してくれます。
実際は『塗る』というより、ふわっと覆う、という感じで吹き付けます。
私の場合ですと、塗りやすいので希釈は普通の塗料より薄めにすることが多いですね。
これだけで、塗装面のツヤは消え、統一感のあるカッコいい仕上がりとなります。
次は、粗を隠す、という点についてですが、実はつや消しクリアーを吹くと、ちょっとした傷なら消えてしまう、というのがあります。
このパーツはサーフェイサーを吹いていないので、塗装面からでも、けっこう傷が見えています。
これに艶消しクリアーを塗装。
かなり傷が見えなくなったのがわかると思います。
塗装をした時、ちらっと見えてしまうヤスリ傷・・・気になりますよね。
ですが、つや消しで仕上げる場合は、ある程度であれば傷があっても問題なく先に進めるようになります。
また、全体のツヤが整うというのは塗装のムラが軽減される、ということでもあります。
これは、筆塗りの筆ムラも同じなので、筆塗りの方でも艶消しクリアーを吹くと綺麗な塗装面に仕上げることができます。
ツヤ消しクリアー(スプレー)のおススメは?
まずはクレオスから「スーパークリアーⅢ UVカット」です。
UVカットとは、紫外線や蛍光灯の光などを軽減してくれる、ということです。
紫外線は塗装の色を退色させたりと悪影響を与えます。
完成させたキットを飾って、長持ちさせたいという方はこちらがおススメです。
ただ、つや消し自体はけっこう強めに出ます。
この辺は仕上げたい状態にもよるので、問題ないのであれば使ってみてください。
それと、UVカットなので、蛍光塗料を使ってブラックライトでキットを光らせたい、という方は避けた方が無難かもしれません。
もしかしたら光り方に影響があるかもしれません。
次はガイアノーツさんの「EX フラットクリアー」です。
こちらは一番オーソドックスなツヤ消しクリアーと言えます。
性能自体は高めなので、私は長い間こちらを使用していました。(もちろん、今でも使っています)
つや消しはすこし強めに出てしまうんですが、個人的には問題ないレベルです。
綺麗に仕上げたい、リアリティのあるガンプラに仕上げたい、両方に使えるので、とても使いやすいツヤ消しクリアーですね。
次は「EX フラットクリアープレミアム」と「スーパースムースクリアー」です。
上の二つと違う点は、その名前の通り塗布した面がとてもなめらかに仕上がる点です。
つや消しにはなるんですが、めちゃくちゃ綺麗な面になるんですよ。
上のふたつと使い分けてみると、同じつや消しクリアーでも仕上がりが全然違うんだな、というのがわかります。
完成品を清潔感のある綺麗な状態で仕上げたい、という方はこちらがおススメ。
ただ、ウェザリングなどをする場合はちょっと向かないかも。
汚しのある完成品が滑らかな仕上がりだとちょっと違和感があるように見えるかもしれません。
汚し塗装をする場合は、上で紹介した艶消し強めのクリアーを使った方がいいですね。
次はスプレータイプです。「プレミアムフラットコート 水性」になります。
こちらも、塗装した面がとても綺麗に仕上がります。
特にエアブラシをもっていない、筆塗りの方はこちらがおススメ。
筆塗りは、手に入りやすい「水性ホビーカラー」を使う方が多いと思います。
こちらのスプレーも水性なので安心して使うことができます。
水性塗料の場合、トップコートをラッカー系にしてしまうと、塗装面が溶けてしまうことがあるんですよね。
このツヤ消しクリアーは水性ではあるものの、使用した方からはかなり絶賛されているスプレーです。
レビューもかなりの高得点を出しています。
使ってみたことがない方はぜひ使ってみてください。
艶消しクリアーの注意点
ツヤ消しクリアーの注意点です。
まず、ツヤ消しクリアーを吹くと、パーツは白っぽくなってしまいます。
こちらはツヤ消しクリアーを吹く前のパーツ。
吹いてみるとこんな感じに。
実際、全体の色調が合うので、白っぽくなるのはそれほど気にならないと思います。
ただ、本当に繊細な色を求めて塗装した場合は注意ですね。
そうしたときは、あえてツヤ消しクリアーを吹かないということもアリです。
ちょっと話はズレますが、これを逆手にとって、無塗装でもツヤ消しクリアーで仕上げるというのもいいと思います。
比べてみると同じ色のパーツでもかなり差が出るのがわかります。
また湿度が高いと、カブリといって艶消しクリアーが真っ白になってしまうことがあります。
これはもう、明らかに本当に真っ白になります。
湿度が高いと起こりやすい現象なので、雨が降っているときなどは注意が必要ですね。