デカール貼りを助けてくれる商品に「マークセッター」と「マークソフター」があります。
ですが、このふたつ、違いがわからない、使い方がわからない、という方もいるのではないでしょうか?
マークセッターとマークソフターは、似ていますが微妙に役割が違います。
今回は、「マークセッター」と「マークソフター」の違いを説明しようと思います。
マークセッターとマークソフターの違いって?
このふたつを簡単に説明すると、
緑色の蓋のマークソフターはデカールを軟化させる成分だけが入っています。
そして、青い蓋のマークセッターはデカールの接着剤+軟化剤が入っています。
「え? じゃあ、両方の成分が入っているマークセッターを買えばいいんじゃないの?」
と思うかもしれません。
ですが、実際にデカールを貼るときに、このふたつは微妙に使い方や使い分けが必要になってきます。
マークセッターはどんな時に使う?
まず、マークセッターですが、こちらは基本的にデカールを貼る前に、塗布します。
デカール糊と軟化剤で、プラの面にぴたっと密着させるのが目的ですね。
デカールは全て平らな部分に貼るとは限りません。
微妙にカーブが掛かっているとか、そういった場所にも貼ることがあります。
こういったときに、セッターの糊と軟化剤が効いて、カーブがある部分にもデカールを密着させることができます。
デカールについている糊だけだと、綺麗に密着しないことがあるんですよね。
デカール糊は経年によって劣化しますし、デカールはパーツに密着しないと光を反射してデカール部分だけが浮いて見えるシルバリング、という現象を起こしたりします。
マークセッターは、デカールを密着させることにより、シルバリングを防ぐ効果もあります。
マークソフターはどんな時に使う?
次にマークソフターですが、
こちらはデカールを貼る前、貼った後、どちらに塗布しても問題ありません。
こちらは、デカールを軟化させて、凹凸などがある面になじませるのが目的です。
ガンプラではあまりありませんが、たまにモールドや凹凸の上にデカールを貼る場合があります。
こういった場合は、デカールを軟化させてモールドになじませる必要が出てきます。
ソフターは軟化させる成分が強いため、塗っておくとモールドや凹凸に沿ってデカールが密着してくれます。
これはデカールを貼った後にソフターを塗りましたが、ご覧の通りです。
ソフターはデカールを軟化させるだけなので、前に塗っても後に塗っても効果が期待できます。個人的には後から塗った方がやりやすいと思います。
もし密着と軟化の両方を狙う場合は、
まずセッターを塗ってからデカールを貼り、その上からソフターを塗る、というのが推奨されています。
最強のデカールセッター タミヤ・マークフィット
マークセッター・ソフターで有名なのは、やはり昔からあるクレオスの商品ですが、最強のセッターであるタミヤの「マークフィット・スーパーハード」も紹介しておきます。
憚ることなく描かれる、上級者向け、の文字。
密着、軟化の成分が強化された代わりに、塗装面(特に水性)やデカールを溶かしてしまうことがある、というデメリットがある商品ですね。
こちらは、いちおうセッター扱いなので基本的にはデカールを貼る前に塗るのですが、密着させたい場合は貼った後に塗ってもいいようです。
試しにデカールを貼って塗ってみました。
強力とはいえ、塗った瞬間からドロドロと溶けることは基本的には無いです。
しばらく経つと、デカールはバーニアやスジボリの線にまでぴたっと密着してくれました。
扱いにやや注意が必要ですが、上級者向けの文字は伊達ではありませんね。
マークセッター・ソフターのデメリット
マークセッター・ソフターはデカール貼るときに役に立ちます。
ただちょっとデメリットもあります。
セッター・ソフターとも、デカールを軟化させたり、密着させたりする効果があります。
そのため、時間が経ってしまうと、貼り直しができない(難しく)なってしまうデメリットがあります。
密着してしまったり、軟化していると、剥がすときに破れてしまいがちですね。
デカールは間違えて貼ることもあるので、その点は注意が必要です。何気に貴重なデカールもありますからね・・・。
本当に上手なモデラ―さんは、あまりセッターやソフターを使わないこともあるようです。
ガンプラにマークセッター・マークソフターは必要?
ガンプラを多く作っている方ならわかると思いますが、ガンプラには水転写デカールはほとんど付属しません。
MGのように高価なキットに付属することはありますが、ほとんどは「ガンダムデカール」など別売りのものを用意しなければいけません。
ですが、もしガンプラに水転写デカールを使ってみたいのなら、マークセッターくらいはあると便利だと思います。
デカールの経年劣化の対策、曲面への貼付補助、デカールを密着させてシルバリングを防ぐ、ということが期待できます。
スケールモデルにマークセッター・マークソフターは必要?
スケールモデルの場合は、逆に水転写デカールが付属することがほとんどです。
大判のデカールを貼ったりこともあるので、セッターとソフター両方用意しておいた方がいいと思います。
切り札として、マークフィット・スーパーハードもあるといいかもしれません。
まとめ マークセッターとソフターの違い
マークセッターとマークソフターの違いのまとめです。
マークセッターはデカールを軟化させ、密着させる糊の成分も入っている。
デカールは糊が経年劣化して貼れなくなることもありますが、その対策やシルバリングの対策にもなります。
マークソフターはデカールを軟化させる成分だけが入っており、その効果はセッターよりも強い。
凹凸などにぴたっと密着させることに使用する。
ですが、両方とも、使用すると貼り直しが難しくなり、強力なマークセッターはデカールや塗装面を侵してしまう、というデメリットもあります。
ただ、デメリットを含めても、模型製作に置いて便利であるものには違いありません。
セッターもソフターもメーカー定価でだいたい300円前後です。
デカール貼りのときにあると便利なので、使ったことがない方は試してみることをおススメします。