プラモデルを作って収入を得ている職業、プロモデラー。
このサイトを見てくださる方はプラモデルを作るのが好きな方だと思うので、少なからず興味を持っているのではないでしょうか?
我々にとってはある意味身近ではありますが、プロモデラーは、けっこう謎に満ちた職業ですよね。
と、いうことでちょっとプロモデラーについて調べてみました。
プロモデラーのなりかた
プロモデラーのなり方として一番よく聞くのが、大きなコンテストで入賞して、スカウトされる、というものです。
これが、やはり今でも王道なのではないでしょうか。
また、現在では、SNSや横のつながりからデビューすることもよく聞きます。
コンテストなどで入賞してからデビュー
王道なのはやはり、大きな模型コンテストで入賞してデビューすることです。
模型誌が主催しているものや、GBWC(ガンプラの世界大会)など規模の大きい大会で入賞すると、声をかけられる可能性も高くなりそうです。
最近ではほとんど聞きませんが、模型誌の読者投稿ページに投稿しているうちに作品を掲載してプロに、ということも聞いたことがあります。
人気のプロモデラーセイラマスオさんは、読者投稿ページの出身だと聞いたことがあります。
SNSからデビュー
現在ではSNSが盛んなので、X(旧Twitter)やインスタで作品を発表していたらスカウトされる、ということもありえます。
当然、模型関係の人もSNSはチェックしているでしょうし。
自分の作品を掲載したり、プロモデラー志望! というこもアピールすることができます。
もしかしたら現在、プロモデラーの入り口として一番近いのはSNSで活躍することかもしれません。
横のつながりからデビュー
他にも、模型業界の方とコネを持ち、そこからプロデビューというのもあります。
とはいえ、そんなコネなんて中々持てるものではありませんよね。
コネを持てる可能性があるとすれば、大きな模型サークルに入る、大きな模型店の常連になる、展示会で、コネの持っている人と仲良くなる、というようなことが考えられます。
活動は地道かもしれませんが、もしかしたらいつかチャンスがあるかもしれません。
プロモデラーの仕事 必要な技量は?
プロモデラーに必要なのは、いう間でもなく圧倒的な技量です。
その他にも、自分だけの作風や、ある程度の文章力は必要になりますね。
圧倒的で安定的な技量
プロモデラーは、基本的に依頼をもらって作品を作ります。
実は、模型誌に掲載される以外にも、箱絵についている『見本』を作る仕事もあるんですよね。
作例も見本も、必要なのは『要求に答えられる安定した技量』だと思います。
例えば、完成見本を作る仕事の場合、「キットはそのまま組んで、ティテールアップは無し。合わせ目は消してもいい。全塗装をするけど、忠実なカラーリングで」などという内容になると思います。
組んだ状態があまりにも箱や説明書の見本とかけ離れていたらおかしいですからね。
それを、きちんと求められる形にできなければいけません。
また、模型誌やSNSなどの掲載の場合も、ある程度は「指定」があるようです。
つまり「こういう感じで作ってね」と言われるということですね。
作例の説明を見ますと、「こういう風に仕上げて」と依頼があった、という文をちらほら見かけます。
トップモデラーなんかは「好きなように作ってください」と言われることもあるようですが、それは、その制約の中で、人気を獲得したプロモデラーだけが許されることだと思います。
作品の「強度」にも気を配る
プロの作った作品は、撮影されて紙面に掲載されたり、SNSにアップされたりします。
個人で制作したものなら、完成させた後に動かさずに飾って楽しむ、ということもアリですが、プロの作品はそうはいきません。
特に可動のあるガンプラ・キャラクターモデルはかっこいいポージングを取らせる必要があります。
キャラクターモデルは、全塗装をすると可動が渋くなり、動かしているときに破損してしまうこともあるため、動かしやすく、可動させても壊れないほどの「強度」にも気を配る必要があります。
また、完成した作品を宅急便で送る事も多いです。
運送しても破損しない梱包はもちろん、多少のことでは壊れないように作る必要もあるでしょう。
この「壊れない作品を作る」というのは作品の見た目にはほとんど影響を与えません。
まさに、運搬や撮影などを前提とした、プロならではの配慮、というべき要素と言えます。
締め切りを守る
プロモデラーと趣味モデラ―の最大の違いは「締め切り」があることです。
掲載の予定に穴が開いてしまいますからね。
「締め切り」を守れない方は絶対にプロにはなれません。
得意な分野、作風をもつ
プラモデルを綺麗に作れる人はたくさんいます。
プロはその中でも抜きんでる必要があります。
そのため、自分はここだけは負けない、という分野を持っているとプロになりやすいと思います。
たとえば、
筆塗りを極める!
ウェザリングならこの人!
スクラッチで何でも作ってしまう!
塗装が上手すぎ!
ジオラマやヴィネットのクオリティが凄い!
とかですね。
つまり「このテクニックなら、この人!」と言われるくらいになることですね。
あとはジャンルを絞ることも必要かと思います。
プラモデルにも様々なジャンルがあります。カーモデル専門、戦車専門、というように、ある程度はジャンルを意識する必要があるでしょう。
案外、ガンプラもカーモデルも戦車もフィギュアも・・・と、マルチに活躍する人は少ないですよね。
ガンプラ系を攻めるなら「自分だけの得意な分野」を持って「独特の作風」を目指した方がいいと思います。
簡単に言うと、自分だけの「特徴」「ウリ」を持つ、といったところでしょうか。
ある程度の文章力
ほかに必要な物は「ある程度の文章力」です。
模型誌に掲載しているプロモデラーは「ライター」とも呼ばれていてるんですよね。作った作品を文字で解説する、というのが必要不可欠です。
自分の作った作品を、決められた文字数で的確に説明する。
それくらいの文章力は持っていた方がいいと思います。
プロモデラーの仕事の余談
余談ですが、プロになっても、作りたいキットが回ってくることはほとんどないみたいです。
ガンプラはある程度こなせるけど、よく知らない作品の作例を作らなきゃいけない! みたいなことが多いみたいですね・・・。
模型誌では、いっつもガンプラを作っている方が、スケールモデルを作っているのも見かけたことがありました。(普通に上手でしたが)
そのため、ある程度はどんなジャンルのプラモデルも作れる技量が必要なのではないでしょうか?
ある程度、人気が出て、作る作品が認知されれば、同ジャンルでの依頼が増えるものと思います。
プロモデラーの年収は?
作品一つの報酬というのは口外してはいけないことになっているらしく、詳しいことはわかりません。
ですが、年収というのは耳にすることがあり、平均するとだいたい300万円前後、といった感じです。
正直、けっして多い金額ではないと思います。
ですので、プロモデラーは専業の方は少なく、兼業している方が多いのが事実です。
模型誌に掲載している方も、ほとんどが兼業しているらしいですからね。
ですが、プロモデラーは模型業界と関わりのある職業についている方も多く、そちらの方面でも活躍の場をもっている方もがいます。
ある世代では伝説のモデラーである川口名人こと川口克己さんはBANDAIの社員ですし、MAX渡辺さんは、模型メーカーマックスファクトリーの社長さんです。
NAOKIさんはメーカとのタイアップでナスカというブランドの工具な塗料の監修をしていますし、ガンプラのデザインなどもされています。
長谷川伸二さんはタミヤの模型店の店員でもあり、プラモデルの講師をしています。
こうなるとプロモデラーというのは肩書の一つとなり、収入の面からみても、安定したものになっていそうですよね。
副業モデラーの可能性
プロモデラーは、専門の方は多くありません。
きちんと契約は結んでいると思うのですが、ぶっちゃけ、副業みたいなスタンスが強いと思います。
副業として模型を製作して収入を得るのは、プロでなくても技術さえあれば可能です。
ヤフーオークションやメルカリなどで完成品を販売する、制作代行という方法があります。
「せっかく完成したものを売るのってもったいなくない?」と思う方もいるかもしれません。
だいじょうぶです。
なぜなら、また作れるから。いつかはまた、もっと上手に作ろう、なんて思ったりしますね。
むしろ、長く模型を作っていると、完成品が増えてきて保管場所を悩ますことになります。
それに、本当に手放したくないもの、は手元に置いておけばいいんですよね。
箱の中で日の目を見ないなら、お金を出してまで自分の作った作品を買ってくれる方に、大切にしてもらいたい、と思う心も出てくるんですよね。
Kindle(電子書籍)専用ではありますが、【ザ・プロモデラー<プラモデルを作って副収入!】という本も販売されています。
制作しているのは飛行機モデルですが、高値が付くように制作して写真を撮り、オークションに出すまでの流れを紹介しています。
900円ほどとあまり高くありませんので、ヤフオクに出してみたいという方は読んでみてはいかがでしょうか?(掲載の写真はネット経由で拡大して見えると書いてありますが、2021年現在、リンク切れになっているとのことで注意です)
正直、プロモデラ―になるのはかなり難しいとは思います。
もしかしたら、副業モデラ―というのも、可能性があるのかもしれません。