スジ彫りでオリジナルのディティールが彫り込まれたガンプラ、憧れますよね。
ですが、スジ彫りは難しく、しかも無の状態からカッコいいラインを引くというのは、かなり敷居が高いのも事実です。
プロの方ですら、スジ彫りは苦手、なんて言っていますからね。
しかし自分の作品に、個性を出すのに絶大な効果を持つの事実です。
難しい作業、ということを前提にしても、挑戦してみる価値はあると思うんですよね。
スジボリでカッコいいディティールアップができれば、私もレベルアップできる気がしています・・・!
スジ彫りを入れる準備
ディティールアップとしてのスジ彫りを入れる手順ですが、まずは全体を見て、どこにラインを入れていくかシャーペンを使って下書きをします。
写真ではパーツ事にやっていますが、仮組みの状態から全体に線を入れていくと完成後がイメージしやすいと思います。
もし入れた線が気にらなくても、消しゴムやスポンジやすりで線は簡単に消せます。
下書きはガンガンやっていきましょう。
ラインが決まりましたら、次は線を清書します。
定規などを使い、きちんと採寸し、引くラインを明確にします。
採寸は、『T字定規』や『ノギス』があると便利ですね。
特に『T字定規』は1000円以下で買えるので持っていた方がいい工具です。
ただ、実際やってみると清書もけっこう難しいことがわかります。
ガンプラのパーツは面がたくさんあるので、線はズレるし、均一にならない・・・!
正確に測るためにはいろいろな手段を使わなければいけません。
ただ、清書さえできれば、スジ彫りのディティールアップはほとんど完了したと言っても過言ではありません。
正確な線を引くのは難しいですが、ここには時間を使う、というのがいいと思います。
ノギスもあれば採寸の力強い味方になってくれますね。
実際にスジ彫りを行う
きちんと清書ができましたら、次はスジボリの道具を使って溝を掘っていきます。
主に使う道具は『タガネ』です。補助として『ケガキ針』『デザインナイフ』『目立てヤスリ』を使います。
スジボリの道具についてはこちらの記事でも紹介しています。
他に用意するものは『ガイドテープ』と採寸にも活躍する『T字定規』ですね。
『ガイドテープ』は、その名の通り、線を引くためのガイドとなる、とても厚みのあるテープです。
切って張り付けるだけで、それをガイドにすればまっすぐなスジボリを引くことができます。
写真のものはスジボリ堂さんのガイドテープですが、同じような物は色々なメーカーから販売されています。
直線であれば、T字定規をそのままガイドにすることもできます。
ウェーブさんのT字定規がよく使われていますが、ちょっとこれ、人気で手に入らない時期があるんですよね。
上部がプラスチック製になりますが、モデラーズマテリアルさんのものなら比較的手に入りやすいです。
スジ彫りにアクセントをつける
そしてオリジナルのディティールを彫るスジ彫りの大問題。
どんなデザインのラインを彫ればカッコよくなるのか、です。
下書き、採寸、清書、ガイドがあれば、理論的にスジボリは引けるんですが、それがカッコいいディティールアップになっているかは別問題なんですよね・・・。
ただ線を引いただけだと、あまりカッコよくないないな、と思うかもしれません。
あくまで対処法の一つ、ですが、アクセントをつける方法も紹介しておきます。
まずその①は、線の太さを変える、です。
太さの違うタガネを使い、線の太さを変えてみましょう。
すると、スジボリラインにちょっとした変化を与えることができます。(線は歪んでしまいましたが・・・)
その②は太さを変えたスジ彫りに、細く切ったプラバンを貼り込んで変化を付ける方法です。
ここプラバンを赤く塗れば有名なディティール「レッドポイント」にすることもできます。
プラバンを張り付けるの場所は、マイナスモールドでもいいですね。
その③は、直線ではなく「クランクライン」にするという方法です。
「クランクライン」というのは、写真の赤い線のようなラインのことです。
これは、割とガンプラに最初からあるディティールだったりします。
それと最後にアクセントではありませんが、はみだしたところはラッカーパテなどで地道に埋めてケアしていく、ことも大事です。
スジ彫りは絶対にはみ出て余計なところが傷つきます。
フィニッシャーズのラッカーパテが硬化も早くておススメですよ。
スジ彫りのデザインが思いつかないときの対処法
スジ彫りは作業自体は単純ですが、とても難しい作業です。
実際作業をしようと思っても「これ、かっこいいのかなぁ?」と疑問に思って、手が止まりますよね。
でも、多くのモデラ―はそれが普通だと思います。
スジ彫りで引くラインは「パネルライン」と言われていて、装甲の継ぎ目、のことです。
決して、なんとなく、であるものではなく、意味のあるラインなんですよね。
「メンテナンスなどで開きそうな場所」にラインを引く、と言っていたのはプロモデラーのアーリーチョップさんですが、普段から意識していないと、そういった知識の引き出しは増えません。
そんなときの対処法は、好きな作例やMG・RGのキットを参考にすればいい、ということです。
つまり、パクればいい、ということですね!
キットやプロの作品は、ある意味、正解のディティールが入っています。
なら最初は好きな作例のパターンを参考に(と、いうか完コピしてもいいかも)彫っていくのがいいと思います。
なぜそんなデザインをしているのか? をくみ取っていけばスジ彫りデザインの引き出しも増えていくのではないかと思うんですよね。
ちなみに私はNAOKIさんのデザインが凄くカッコいいと思っているので、よくこの本を見て「すげえなぁ」とか思っていたりします。
現在は絶版(?)なのか新品はあまり見かけませんが、中古なら購入可能です。
結論 スジ彫りは難しい
何度か書いていますが、スジ彫りのディティールアップは難しい作業です。
スジ彫りを施してかっこいい作例を作っているプロだって、苦手、と言っているんですから。
というより、「スジ彫り」を得意だ、という方を見たことがありません。
私も、EGのνガンダムを使ってスジ彫りの練習をしていますが、まあ、上手くいきませんね。(ちなみにEGのνガンダムは値段も安く、普通のHGよりも大きいのでスジ彫りの練習には最適です)
下書きも、採寸も、清書も、スジ彫りも、すべて難しい。
綺麗に線は引けないし、なんとか清書してもスジ彫りをすると歪みます(泣)
デザインがカッコいいかもわかりません。
ですが、だからこそ、これをやれるようになると、自分の作るキットはもう一段階、変化を迎えるような気がしています。
スジ彫りは難しいのだから、なんども繰り返して、上手になっていくしかない。
何度もやっていくうちに、自分なりのパターンができて、デザインの統一性やテーマを決めた彫り方、なんてできるようになるような気がしています。
スジ彫りのディティールアップは難しいですが、ちょっと挑戦して、頑張ってみませんか?