全塗装をするガンプラに、ヤスリ掛けは何番までかければいいのか?
基本的に、全塗装をするガンプラのヤスリ掛けは、400番の後に600番、800番とヤスリを掛けて傷を消していくことが多いです。
ですが、モデラ―の中にはヤスリ掛けを400番で終わらせる、という方もいるんですね。場合によってはもっと荒い目で終わらせる方もいます。
たしかに、ヤスリ掛けを400番で終えることができれば、エッジはシャープに仕上がるし、ゲート処理、ヒケ処理、は早めに終わることができます。
時間の短縮にもなるし、なにより楽です。
しかし、400番はガンプラにとって、けっこう粗目な番手です。本当に400番でヤスリ掛けを終わらせることは出来るの? とも思います。
苦労して全塗装をしても、全身に傷が見えては完成度の高い作品、とは言えません。
と、いうことで、本当にヤスリ掛けを400番で終わらせることができるのか、実際に試してみました。
つや消し仕上げなら400番でもだいじょうぶでは?
まずは、前提として「つや消し仕上げ」なら400番でもだいじょうぶなのでは? ということです。
つや消しクリアーというのは、傷を見えずらしくしてくれる、という効果があります。
私もたくさんのガンプラを作ってきて、それはたしかにその通り、実感しています。
逆に、ツヤ有り、メタリック、パール塗装は傷が目立つ仕上がりとなります。
これはさすがに無謀なので今回の検証からは外します。
今回、検証対象となるのは、つや消しで、ソリッドカラーで仕上げるガンプラですね。
また、つや消しクリアーについては別に試した記事もあります。
つや消しクリアーの傷消し効果について気になる方はご覧ください。
検証① つや消し仕上げなら400番でも傷は「ほとんど」見えない
まずは400番のヤスリと600番のヤスリを掛けたパーツを用意しました。
このあとにエアブラシでサーフェイサーを吹きます。
ヤスリ掛けを400番まで行ったのがこちら。
使用したのはクレオスの「サーフェイサー1200」です。サーフェイサーは割としっかり塗布しています。
600番までヤスリを掛けたパーツはこちら。
パッと見た感じでは400番、600番とも綺麗に見えますが、実際には細かい傷が見える状態です。
そのあとに塗装をした状態です。
使用したのはフェニッシャーズの「ブルーパープル」です。
400番ですと、やはり目立つ傷がいくつかあります。
写真ではあまりわかりませんが、全体的に細かい傷も見て取れますね。
600番でも一部に深めの傷が見受けられます。
ただ、全体的な傷は、やはり400番と比べて少なめと、という状態ですね。
そして次につや消しクリアーを吹いた状態。
使用したのはガイアノーツの「フラットクリアー」です。
なんと、400番のヤスリ傷も、ほとんど見えない状態に・・・!
こちらは600番。
当然、600番でも綺麗に傷が見えなくなりました。400番と比べてもほとんど大差ないのでは?
検証結果ですが、きちんとサーフェイサーを吹いてつや消しクリアーを吹けば、400番のヤスリ傷も消すことができる、となりました。
たしかに消えます、が!
ただ、個人的な感想ですと、400番だと、やや安定性に欠けます。
400番と600番のふたつを見比べてみると、写真ではほとんどわかりませんが、よーく見ると、400番の方にはすこーし傷が見えるんですよ。
その傷、許容範囲じゃない? ってレベルではあるんですが、逆に気にする方は気にすると思うんですよね。
つや消しクリアーを吹いてしまうと、それ以上傷が見えなくなることはありません。
そのため、600番くらいまではヤスリを掛けた方が安定はするかな、という感じです。
サフレスならどうなのかも試してみた
ついでに、サフレス(サーフェイサーを吹かない状態)ならどう見えるのかも試してみました。
サーフェイサーには傷を埋めてくれる効果もありますので、多少の差は出てくると思います。
こちらは400番のヤスリ掛けをした上に、塗装をしたもの。
サーフェイサーを吹いたパーツと比べて、傷がはっきりと見えます。
こちらが600番。
400番ほどではないですが、傷はやはり見て取れます。
800番だとこんな感じ。
傷は目立たなくなっていますが、やや見て取れます。
800番でこのくらいなら、1000番、1200番とヤスリを掛けていれば、サーフェイサーを吹かなくても傷のない綺麗な塗装面にできそうです。
つや消しクリアーを吹くとこのようになります。
400番だとこちら。写真だと綺麗に見えますが、うっすらと全体に見える傷があります。
ただ、この程度なら許容範囲、という方もいるかもしれません。
600番だとこんな感じです。
一見、綺麗に見えますが・・・。
一部に深い傷があります。エッジの部分にも傷がありますね。
これは、サーフェイサーを吹いていないため、気が付かなかった傷と言えます。
例え番手が細かくても、たまに、こういう深い傷がついていることがあるんですよね。
800番はこちら。
やはり800番までヤスリを掛けると、つや消しクリアーで傷はほとんど見えなくなります。
400番や600番では安定性に欠けますが、サフレスの場合でも、800番までヤスリを掛ければパーツの傷はほとんど見えなくなる、と言えますね。
まとめ
つや消し仕上げのソリッドカラーの場合、サーフェイサーをしっかり塗っておくと、400番のヤスリ掛けでも終わらせることができる。
ただ、結果として思ったことが、400番であろうと600番であろうと、「どれくらいの傷まで消すことができるか」というのを、作っている本人がわかっていることが大切、ということでしょうか?
ここが一番重要かと思います。
ぶっちゃけ、同じ400番のヤスリでも種類によって切削力は若干違いますし、使用していると削る力は落ちてきます。
ヤスリの掛け方によっても、傷の入り方が変わります。エッジの部分に傷が残りやすかったりしますし。
600番でも所々に深い傷が入っていたりもします。
そのため、「この程度の傷ならつや消しクリアーで見えなくなるな」という経験があれば、400番のヤスリ掛けでも終わらせることができる、というのが検証の結果です。
重要なのは、どれくらいの傷まで消せるか見極めること、です。
400番でヤスリ掛けを終わらせることができれば、作業時間も短くなりますし、エッジ出しもシャープに決めることができます。
400番でもヤスリの掛け方、傷の見極めさえできていれば、じゅうぶんに終わらせることが可能!
サフレスですら、その可能性が見えます。
なにかひとつ、エントリーグレードのガンプラなどで練習してみて、程度を見極めてみるのもいいと感じます。
よろしければ参考にしてみてください。それでは。