塗料・工具筆塗りアクリジョン

アクリジョンで綺麗に筆塗りするためには? ベースカラーを使った塗装方法を紹介

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以前、アクリジョンについて書いた記事では、綺麗な筆塗り塗装はちょっと向かないんじゃないかなと、いう結論に至りました。

筆塗りでしか出せない、独特の雰囲気を出すなら可能性のある塗料だと思うのですが、やはり色を塗るなら、綺麗に塗りたい! とも思いますよね。

ですが、自分自身、まだアクリジョンを筆で綺麗に塗るために試してないことがありました。

と、いうことで今回はアクリジョンを更に色々と検証してみることにしました。

 

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アクリジョンの特徴

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簡単に復習しますと、アクリジョンには以下の特徴があります。

 

①水性塗料なので安全性が高い(もちろん筆も水で洗える)

②臭いがほとんどしない

③乾燥が早い

④塗膜が固い

⑤隠ぺい力が弱い塗料が存在する

 

①~④を見てみますと塗料として素晴らしい利点があることがわかります。

ちなみに値段も安く、物にもよりますが一瓶130円前後で購入が可能です。

 

ですが、この⑤の隠ぺい力が弱い、いうのが大問題で、これが①~④までのすべての利点をすべて吹き飛ばしてしまうくらい致命的な欠陥となっています。

隠ぺい力が弱いということは、ほとんど下の色を隠しません。

下の色が透けてしまうと、塗りたい色が塗れません。

もっと使っている人がいてもいいのにな、と思うアクリジョンですが、あまり使われない理由はおそらくこれが原因です。

アクリジョンの欠点を補う方法

とはいえ、さすがクレオス。その欠点も『ベースカラー』の登場で、解決に大きく前進しています。

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ベースカラーは逆にとんでもなく隠ぺい力があり、下地の色もほぼ関係なく塗りつぶしてしまいます。下が濃いグレーでもお構いなし。

つまり、この『ベースカラー』を下に塗って、同系色を上に塗っていく、というのが、アクリジョンの基本的な使い方になるかと思います。

普通、色を重ねると、下地の色が溶けだしてしまうものですが(エアブラシならそういうことは少ないですが)『ベースカラー』の上から通常のアクリジョンを塗っても、そういうことがほとんどありません。

まさに、下地に使うための塗料。

アクリジョンを使うなら、この『ベースカラー』は絶対に必須です。

全部で6色あるのですが、どんな色よりも先に全色揃えることをおすすめします。

アクリジョンを筆で塗ると?

臭いもないし、値段も安い。アクリジョンを使いたいと思っている方も多いと思うんですよね。

しかし、エアブラシのような高価なものを揃えるお金もない・・・。

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それじゃあ、筆で塗ろう! ということになると思うのですが、普通に筆で塗るとこんな感じになってしまう可能性があります。

ベースカラーのブルーの上にコバルトブルーを塗ったのですが、塗料が溜まって濃くなってしまった部分と、薄い部分ができてしまっています。

こうなってしまうとアウトです。

何度コバルトブルーを塗り重ねても、濃い部分がさらに濃くなっていくだけで、綺麗な塗装面からは程遠くなっていきます。

これも隠ぺい力の問題ですね。

ベースカラーのおかげで下の色を選ばずに塗装できるようになったのはいいんですが、上に塗るアクリジョンの隠ぺい力が変わらないため、結局何度重ねても綺麗な塗装面にはならないのです。

やり直すためには、もう一度ベースカラーから塗り直すしかありません。

そして、綺麗な塗装面にするには、一発で仕上げる必要があります。

はっきり言って、難易度はかなり高いと言えるでしょう。

アクリジョンを筆で綺麗に塗る方法

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じゃあどうすればいい? と思うかもしれませんが、私はこれが一番いい方法なのではないかと思います。

それはベースカラーと、通常の色を混ぜて使う、という方法です。

そして、塗るときは、水ですこーし薄めると、ぐっと塗りやすくなります。

つまり、ベースカラーを下地としてはなく、本塗りの塗料として使ってしまう、ということですね。

ちなみに薄めるとき、専用の薄め液じゃなくていいの? と思う方がいるかもしれませんが、無理に使う必要はないかな? というのが現状の意見です。

この薄め液(乾燥を遅くして筆ムラを少なるするという機能。リターダーとも呼ばれています)は、混ぜすぎると本当に乾燥しなくなるんですよ。

これも多分、アクリジョンの薄め液だけの特性です。

分量がけっこうシビアなので、心配な方は水でおこなった方がいいと思います。

私は、ほとんど水でも問題ないかと思いました。

あと、基本的に混色して生み出した色は、同じものを作ることは出来ませんので、色を作る場合は空瓶を用意して多目に作ることをお勧めします。
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実際に塗ってみたものです。

右側の方は、ベースブルーに赤を混ぜて、コバルトブルー寄りにしてみました。

ベースカラーだけより、かなり色は変わっていますが、それなりに綺麗に塗れていると思いませんか?

色々とやってみましたが、私はこの方法が一番、筆で綺麗に塗れるのではないかと思いました。

f:id:hkn3:20200404224252j:plainしかしそれでも、筆ムラはできると思います。

一部、つや消しにならず、溜まった塗料がそのまま乾燥してしまいました。

ですが、こうなってしまっても800~1000番ほどのヤスリで削ってしまって、もう一度上から塗ってしまえば修正することが出来ます。

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隠ぺい力が強くなっているので、簡単に塗り直すことが可能です。

自分が妥協できるとところまで、何度も塗り直してしまいましょう。

ただし、ベースカラーを混ぜると塗料はつや消しになります。

それはどうしようもないのですが、試してみたい方は一応ご留意ください。

結論

結論です。

はっきり言ってしまいますが、やっぱりアクリジョンは『綺麗な塗装面を得るための』筆塗り、には向いていないかな、と思います。

結局かよ! って思われるかもしれませんが、すいません! 色々試してみましたが、私はこれが限界でした・・・。

通常のアクリル塗料か、現在では性能の高い水性塗料の『ファレホ』や『シタデル』があります。

普通に筆で綺麗に塗ろうとするなら、そちらの方を使った方が無難かもしれません。

それでもアクリジョンを筆で塗る利点としては、上からエナメルやラッカー系塗料を塗ることができる、という点があります。

そして、手に入りやすく、値段が安いというのも魅力ですね。

普通、水性塗料の上にラッカー系は使えないのですが、アクリジョンなら問題なく上からエナメルやラッカーを塗ることができます。

特にですね、部分的な塗装や塗り分けなんかをエナメル塗料で済ませられる、という点は大きいです。

はみ出してしまえばふき取ってしまえばいいわけですから。

細かい部分の塗り分けは筆塗りだとけっこう難しいので、これはかなり大きな利点と思います。

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と、いうことで、アクリジョンを筆で綺麗に塗るための方法は以上になります。

結局、アクリジョンを筆で塗るのは難しい、と結論づけてしまいましたが、紹介した方法を使えば、このくらいのことまでなら可能です。(白は塗っていませんが)

もしも、すこしでもお役にたてる部分があれば幸いです。

それではまた。

追記

ガンダムシャイニングブレイク完成させました!

アクリジョンの筆塗りでの作品になります。

hobi-rain.com

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